登龍門

登龍門とは、中国の故事が語源となっています。 昔、黄河の中流地域「函谷関(かんこくかん)」の上流、霊山に龍門(りゅうもん)という峡谷がありました。 龍門の峡谷は激流で普通の魚は登ることができず、そこを登りきれた魚は霊力が宿り、変じて龍になると言われていました。

この伝説になぞらえて、難関を突破して立身する事を「登龍門(龍門に登る)」と言うようになりました。 ちなみに竜は中国では皇帝の象徴とされていました。

日本では江戸時代になると子供の成長と出世を願い、各家で立てるようになったのが「鯉のぼり」だと言われています。 登龍門は日本の文化の中にしっかりと根付いているわけです。 「登龍門」「鯉の滝登り」「鯉のぼり」「龍門の滝」などいろんな表現がありますが、 それらは全て同じ語源から始まっている言葉なのです。

禹門三級

中国の夏王朝(紀元前1900年頃 – 紀元前1600年頃)の始祖とされる禹は父の跡を継ぎ黄河の治水事業に取り組みました。黄河上流の山を三段に切り開き、無事に治水事業を完成させました。この時に作られた三段の滝が「禹門三級」です。

画:内海 吉堂 伝